小田原に恩返し:Uターン移住者が語る地域貢献のリアル
【小田原に恩返し:Uターン移住者が語る地域貢献のリアル】
序章──「やっぱり小田原っていいな」と思う毎日です
相模湾の潮風、箱根の山並み、そして何より人の温かさ。
Uターンして一年、私は日々「小田原って本当に暮らしやすい場所だな」と実感しています。東京で十年間働いた経験を地元に還元したいと思い立ち、思い切って戻ってきたのですが、移住生活は想像以上に発見と充実の連続です。ここでは、私が感じた小田原の魅力と地域に根ざした活動、そして移住を考えている方へのヒントをまとめてみます。口語体のまま、肩ひじ張らずにお読みください。
1.Uターンして気づいた小田原の“暮らしの豊かさ”
小田原で暮らす魅力を一言でいえば「ゆとり」です。
早朝、相模湾の水平線から昇る朝日を見ながらジョギングをする――都会ではあり得なかったぜいたくが、今では当たり前の日課になりました。週末は箱根の外輪山を軽くハイキングし、その帰りに農産物直売所へ立ち寄って季節の野菜を買って帰ります。夕食は早川漁港でその日の朝に水揚げされた魚を刺身でいただく。派手さこそありませんが、五感が満たされる生活です。
そして人とのつながり。市内中心部で改装された古民家のシェアオフィスに通い始めたことで、地元出身のクリエーターや首都圏からの移住者と自然に知り合いになりました。顔と名前が一致する関係が広がると、仕事も暮らしもぐっと楽になります。「都会では隣人の顔も分からなかったのに」と驚く毎日です。
2.移住者が語るリアルな暮らしと仕事のバランス
ここ数年、小田原ではテレワークを活用して移住する人が確かに増えています。週の半分は東京のオフィス、残りは小田原の自宅でリモート勤務という“二拠点型”を選ぶ友人も珍しくありません。市が運営するコワーキング拠点「ODAWARA INNOVATION LAB」はWi-Fiや会議スペースが充実しており、私もときどき利用しています。海まで徒歩圏内という立地なので、午前中にひと仕事終えたあと散歩がてら浜に出てリフレッシュ、という贅沢な働き方ができます。
また、家族連れで移住する人に聞くと「子どもが自然の中で伸び伸び育つ環境が何より」という声が多いです。市民農園で野菜づくりを体験できたり、地元NPOが運営する環境保全活動に親子で参加できたりと、学びの場が身近にある点は大きな魅力だと思います。
3.東京でのキャリアを地元にどう還元するか
私の場合、IT企業で習得したデジタルマーケティングの経験が思いがけず役立っています。たとえば老舗和菓子店から「オンライン販売を始めたい」と相談を受け、ECサイトの初期設計をボランティアでお手伝いしました。オープン直後から首都圏のお客さまを中心に注文が入り、店主さんがとても喜んでくださったのが忘れられません。
また、市内の中学校で月一回のプログラミング教室を開いています。都市部では珍しくない授業でも、地方ではまだまだ機会が限られています。子どもたちが「自分のアプリを作ってみたい!」と目を輝かせる姿は、活動を続ける大きなモチベーションになります。
4.恩返し一年目で見えてきた“小田原の宝”
小田原城址公園の凛とした早朝の空気、漁港で聞く波と船のエンジン音、季節ごとに変わる曽我梅林や足柄平野の色彩――離れていたときには気にも留めなかった風景が、今では人生の財産になっています。こうした “当たり前” の中にこそ地元の宝があると気づきました。
そこで私は、ボランティアガイドとして週末に観光案内所へ立ち、小田原の「もう一歩踏み込んだ楽しみ方」を紹介しています。例えば城下町の脇道に残る石垣や、報徳二宮神社周辺の知られざる絶景スポットなど、ガイドブックに大きく載らないネタを共有するのはとても楽しいです。
さらに、月例で開催される海岸清掃に参加しています。漁港の方に教わったのですが、「海を守ることが漁業を守ることにつながる」とのこと。汗をかきながら集めたゴミ袋の山を見て、地元を守る小さな一歩を実感します。
5.地域に根ざした仕事と暮らし――五年後に見えた課題と希望
Uターンして五年経った先輩たちに取材すると、「時間の使い方が変わった」という点で皆さん共通しています。仕事の合間に報徳の森を散策したり、夕方は家族と浜辺でサンセットを眺めたり。効率やスピードだけを追う生活から、“今ここ” を味わう暮らしへ価値観がシフトしたと言います。
一方で、観光動線が城周辺に偏りがちな課題や、中心商店街の空き店舗問題など、まちづくりのテーマも見えてきます。若手経営者たちは勉強会を開き、他地域の成功事例を学びながらトライアルイベントを企画中です。私はマーケティングの視点からチラシやSNS告知をサポートし、少しでも人の流れを生むお手伝いをしています。
結びに──「恩返し」は日常の延長線上にあります
小田原へのUターンは、単なる居住地の変更ではなく、自分のルーツを見つめ直す旅でした。帰ってきたつもりが、実は地元から多くの学びと喜びを受け取っている――それが正直な感想です。
都会で培ったスキルは、地方では想像以上に重宝されます。移住を考えている方は、まず自身の経験を棚卸しし、「何が地元の課題解決に使えそうか」をイメージしてみてください。大げさな“地域貢献プロジェクト”を立ち上げなくても、週末のボランティアや近所の子どもに勉強を教えるだけで十分な恩返しになると実感しています。
豊かな自然、深い歴史、そして温かい人々。小田原は暮らすほどに奥行きを感じるまちです。この地に興味を持ったあなたが、次に訪れたとき、あるいは移住を決めたとき、私の経験が少しでも参考になればうれしいです。
「地元をよくする」のではなく、「地元とともによくなっていく」。これからもそんな気持ちで、日々の暮らしと仕事を重ねていきます。
※本記事は2025年6月現在の取材と筆者体験をもとに執筆しました。固有名詞を出していない施設・プロジェクト名は、すべて一般名詞化しています。
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